生きるのが苦手な私へ

それでも頑張って生きようね。

ママの話 ②

誰かと遊びに行く時、一人で出かける時。

 

決まってママは

 

「どこへ行くの」 「誰と」 「何時に帰ってくるの」

 

こんなことを聞いてくる。

 

 

 

小さい頃なら聞かれるのもわかる。

 

ただ、高校生にもなって「どこへ」「誰と」と聞かれるのはわからなかった。

 

ましてや社会人にもなった今でも聞かれるなんて。

 

 

「夜ご飯はいるのか」と聞かれるのは分かる。

作ってもらっている身だから。

 

 

でも何時に帰ってくるかなんて正直わからないでしょう。

その場のノリがある。

わざわざ何時まで遊ぼうねなんて決めたりしない。

 

 

どこへ行くのと聞かれても、これもわりとその場のノリで決まったりするから、事前に決めない(決まらない)ことが私は多かった。

だいたい「わからん」と答えるのに何故こうも毎回聞いてくるのか。

何度「なに、お前も行くわけ?」と聞きかけたことか。

 

 

誰と、なんて聞いてどうするというのか。

高校や社会人になって知り合った人なんて知らないじゃない。

中学生の子ですら名前はかろうじて私から聞いたことある程度の子がほとんどじゃない。

答えたところで「…誰?」か「名前は聞いたことあるけど顔はわからない」と言うじゃない。

それなのに答える意味はあるのか。

 

 

 

 

いい子でいたいからイライラしながらも答えていた。

 

 

 

 

ただ一度、「誰だっていいじゃん」と言ったことがあった。

 

そしたら「なに?言えない相手なわけ?」と怒ってきた。

 

 

 

 

そうじゃないじゃん。

 

 

 

 

私は言えないとかじゃなくて、こうして言葉と態度で縛り付けられるのが嫌なの。

 

 

 

 

どうしてそれに気づいてくれないのだろう。

 

 

 

 

その時に気づいたことがあった。

 

 

 

 

ママは私のことが心配でこんな事をいつまでも聞いているんじゃないんだって。

 

 

 

 

 

 

 

私、ママから信用されてないんだ。

 

 

 

 

 

 

 

大事ではあるけれど、信用はしていないのだと。

 

 

私のことが心配というのもあるけれど、一番はママ自身が安心したいだけなのだと。

 

 

 

 

だから私はママの気持ちがわかるのに、ママは私の気持ちがわからない。

 

 

 

 

ようやく気づいた。

 

 

 

 

そりゃいい子にもなれない。

 

言葉や感情で私を縛る。

 

 

 

 

しょうがない。

 

 

信用を得られなかった私が悪い。

 

 

いい子になりたいという気持ちも努力も、きっと足りなかっただけ。

 

 

 

 

だから、ママが過保護で過干渉になってしまったんだ。

 

 

過保護で過干渉なママにしたのは、私だ。

 

 

私がそうさせた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

でもね、それでも私だって感情はあるの。

 

ママの言い方で余計に「どこへ」「誰と」「何時まで」って答えたくなくなったりするの。

 

 

あれは昨年の五月。

 

私は一人暮らしをしている年上の彼氏ができた。

 

彼の家で過ごしていたら時間はあっという間で、夜の10時を過ぎていた。

付き合ってすぐというのもあって、まだバイバイしたくなかった。

そしたら「今日泊まれば?」って言われて、帰る選択肢なんて一瞬にして消えた。

 

親には何も言っていなかった。

 

彼氏ができたことすら言っていなかったから。

 

言わなかった理由はもちろん、「また今度会わせてね」ではなく、「どんな人か」とこと細かく聞いてくるのが目に見えていたため。

それに、過干渉の相手をするのはもうとっくに疲れていた。

 

 

そしたら日付けが変わる少し前だったかな。

 

「誰とどこにいるの?何時に帰るつもりなの?」

 

こんなLINEが入った。

 

「今日は泊まる」と返せば

 

「誰んトコに?」「だったら早く連絡しなさいよ!!」

 

しまいには

 

「泊まるトコ知らせないなら泊まるな!!帰ってこい!!」

 

 

 

もう嫌になった。

 

そこまで信用されてないのかと。

 

こんな言い方しかできないのかと。

 

私の心配なんかじゃない。

 

自分が不安なのが嫌なだけだ。

 

 

 

私のことが大事なら、もっと信用してほしい。

私のことが大事なら、もっと優しくまもってほしい。

 

 

大事なものはつい手放さないようにギュッと持ってしまいがちだけど、それじゃ壊れちゃうよ。

 

大事なものほど大切に優しくそっと持たなきゃいけないのよ。

 

 

早くそれに気がついて。

 

 

 

 

私が信用してる大人に全て話したことがあった。

 

「私はママに信用されてない気がする」と。

 

「そうだよ。信用してないんだよ。もちろん大事にはしているけどね」と言われた。

 

 

 

私は間違っていなかった。

 

 

 

私、ママのことよくわかってるでしょ。

 

 

ママにとってのいい子になりたくて、いつも顔色をうかがってたからだよ。

 

 

ねえ、ママ。

 

 

ママの言葉や表情で縛られるのが泣くほどつらいって早く気づいて。

 

 

 

過保護で過干渉なママは、変わってくれるでしょうか?

 

 

信頼してる大人に言われ、一度ママに手紙を書いたことがあった。

 

 

「自分から動かないと気づいてくれないよ」

「怒るのではなくあくまで自分の気持ちをしっかりと伝えて親よりも先に自分が一歩大人になってみよう」

「面と向かってだといろんな感情でいっぱいになって上手く伝えられないだろうけど手紙ならいいでしょう」

 

そう言われて手紙を書いた。

 

今でもそこまで干渉されるのは信用されてない気がして嫌だったということ。

もう少し信用してほしいということ。

彼氏ができたこと。

 

しばらくは「誰と」とか「どこへ」はあまり聞かれなかった。

 

でも彼氏と別れて以来、また聞いてくる機会が増えたね。

 

 

ねえ、手紙は意味がなかった?

 

 

これ以上どうしたらいい?

 

 

もう私は大人になれそうにないです。

 

 

 

 

私、ママのこと嫌いになりたくないよ。

 

 

 

 

こんなダメな娘でごめんなさい。

 

 

 

ごめんなさい。